江川大橋（独立行政法人水資源機構 朝倉総合事務所）は小石原川ダム（福岡県朝倉市）建設事業に伴って整備される付替国道500号のうち、江川ダム湖面上に架橋された橋梁です。
橋長は339ｍ、橋梁形式はPC3径間連続箱桁橋であり、P1橋脚は直接基礎、P2橋脚はニューマチックケーソン基礎を採用しました。
本橋梁の特徴として以下が挙げられます。
〇ダム湖を跨ぐため中央径間の支間長は173mとしました。支承を有する連続形式のPC箱桁橋としては日本最大となります。
〇橋梁規模が大きく橋脚に非常に大きな地震時慣性力が作用するため、免震支承を採用し地震時のエネルギー吸収を図ることで橋脚をコンパクト化しました。
〇P2橋脚の支持層下に地滑りラインが確認され、基礎工の工程長期化や仮設費用の増大が懸念されたため、ニューマチックケーソン基礎を採用することで仮設工を含めたコスト縮減や工程短縮、省力化を図りました。
〇周辺環境と調和を図った橋梁デザインとし、緑豊かな自然風景に溶け込みつつ、"地域の新たな名所となる湖面橋"を実現しました。
当該作品賞は、プレストレストコンクリート構造物の設計、施工、景観の面において優れた特色を有し、プレストレストコンクリート技術の発展または普及に顕著な貢献をしたと認められる構造物に与えられるもので、橋梁構造物の入賞は年間2～3橋と少なく名誉ある賞です。
【これまで作品賞に入賞した弊社設計による橋梁】
平成27年度 つばさ橋（橋長640ｍ、PC斜張橋／カンボジア）
平成23年度 生名橋（橋長515ｍ、複合斜張橋／愛媛県）
平成22年度 夢翔大橋（橋長290ｍ、エクストラドーズド橋／奈良県）
平成20年度 矢部川大橋（橋長517ｍ、PC斜張橋／福岡県）
平成17年度 頭島大橋（橋長300ｍ、複合アーチ橋／岡山県）
江川大橋 全景写真 上流側より
江川大橋 全景写真 右岸側（起点側）より